太田川駅前デンタルクリニック

デザイナーより

太田川駅前デンタルクリニック

太田川駅周辺は今、再開発が進み西地区の駅前新拠点として「ラスパ太田川」が誕生しようとしている。
今回のプロジェクトは、その南館1階のエントランス間近に位置し、
歯科医院のあり方を根本的に見直し新たな方向性を模索することから始めっていた。
オーナーの三井氏は、「私が開業するなら」というスタンスを常に頭の中に描いていた。
その理想の形を具現化するのが、私たちの役割である。
フロア構成は、患者と医師のエリアを明確にすることから始まった。
患者たちは、待合から施術室に患者専用出入口から入室する。スライドドアを抜けると衛生士の誘導で施術椅子に腰を下ろす。
そこへ、医師が後方より登場するシチュエーションである。
この平面構成は、空間にゆとりがなければ実現できない計画であるが、そこには「個室感、専有感、安心感、贅沢感」が生まれ、
医師とスタッフたちの動線には、無駄が省かれ効率向上に繋がる。
40坪の広いフロアを保有しているこの歯科医院にとって、空間の有用性と施術の敏捷性が訪れた患者たちへの配慮にも繋がり、
スタッフのストレス軽減を担うのである。
また、ファサード、エントランス、待合などの患者エリアは、クリニックという概念を逸脱したあり方が求められた。
フラっと立ち寄ってもらえるカフェのような温和な佇まい。お茶する感覚で腰を下ろし、マガジンを片手に時間の行方を忘れる空間。
リラクゼーションのひとときを楽しんでもらえる設え。
これが、今回のプロジェクトに課せられたもうひとつの大切な構築目的である。三井氏曰く、
これからの開業に相応しい思考は見たことのない世界観を歯科医院のスタンダードにすることがプロジェクトの核であるとしている。

鳥居デザイン事務所:鳥居佳則